詩的なもの

11/35
前へ
/35ページ
次へ
【10】 いつまで経っても治らないカサブタを背負って生きている 何かの拍子にその一部が欠け 血が流れ出す 目に映るものが遮断されるほどの 痛み 悲しみ それは生きることが容易ではないと 体中に叩き込まれているような… 涙が流れても それを止める術はもう忘れた 涙が流れても 声を出して泣くことも忘れた いつの間にか失ったものをもう一度得ることは出来ますか? カサブタはまだここにある でも僕らは生きている これからも生きていく カサブタごと自分を抱きしめながら .
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加