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「それってザ・サンタさんじゃないですか!」
叫び声をあげるアヤカとそれを楽しそうに見つめる先輩。
「夏目さんには悪いけど、この事件だけを見て考えるならばサンタさんは死んだ、というのが妥当だろうね」
「でも先輩、それって状況証拠だけですよね?ならサンタさんが死んだことにはならないんじゃ……」
私の言葉に先輩はキョトンとしている。
「嘉島さんも夏目さんも何か勘違いをしてないかい?」
勘違い?
「そもそも僕はサンタさんは空想上の存在だ、と言った夏目さんと嘉島さんにサンタさんの存在を説明するのに今の話をしただけ、つまりサンタさんが実在するという考えを君たちに持ってもらえれば良かったんだ」
小さなサンタの人形を見てニコニコしながら先輩は続ける。
「その過程でサンタさんが死んでいようといまいとどちらでもいい、ただ[サンタさんはいた]と思って貰えればいいんだよ」
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