プロローグ

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「お前、もう少しトーンダウンしろよ」 「えっ?」 「いい機会じゃないか。転校先では大人しくなってみれば?」 あたしがこの学校を去る日、彼氏の怜治がそんなことを言い始めた。 「そうだよ静、名前通り静かにしてみなよ?」 友達の梓もあきれたような顔をして言う。 な、なによ……2人して! 「あたしはもとから大人しいもの!」 「「どこが」」 口を揃えちゃってさ。 確かにあたしはちょーっとだけうるさいかもしれないけど。 1人むくれていると怜治がため息をしてあたしの肩に手を置いた。 「な……なに?」 あまりにも真剣そうに見つめてくるのでドキドキしちゃうじゃないか! さすが怜治、……いや、イケメンパワー。 そう、あたしの彼氏は少女漫画に出てくるヒーローよりカッコイい、嘘じゃないよ? 「静の作った伝説を教えてやろう、梓!」 「アイアイサー!」 「は?」 梓は警官のするようなポーズをすると制服のポケットから手帳を取り出した。
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