赤い頭巾と犬の耳

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「ところで今日はどうしたのですか?」 「実は、一緒に食事でも、と思いまして」 「まあ!うれしいわ!」 おばあちゃんはまるで少女のようにはにかみ、 猟師も少し顔を赤らめます。 おばあちゃんと猟師の二人きりの世界がキラキラと展開され、赤ずきんとオオカミ男はそわそわします。 「でも、赤ずきんさんとオオカミ男さんが折角いらしているみたいですから、なんでしたらお二人もご一緒にどうですか?」 「あ、二人はいいの! 二人で出掛けるみたいだから!」 おばあちゃんは嘘をつきました。 またもや急にこちらに話が及ぶが、嘘でも、隣にいるオオカミ男と出掛けるなどと、言いたくないので、それを言おうとしたら 「そうよね?」 と言ったおばあちゃんの声と目線に、何か黒いものが感じられて 「「はい!そうです!!」」 と、二人して裏返った声で 元気よく返事をしました。
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