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猟師が馬から降り、二人で歩いて仲良く街へ行ってしまい、
「……………」
「……………」
赤ずきんはオオカミ男と残されてしまいました。
「………出掛ける?」
「………出掛けない」
赤ずきんは、ふぅ、と溜息を一つ落としました。
「結局、おばあちゃんの誤解、解けなかったじゃんか。
アンタのせいだ。」
「えへへ」
「笑うなコラ、
その尻尾引っこ抜くよ?」
「いやん」
オオカミ男はそれでも楽しそうです。
赤ずきんはその様子を一睨みして、目を伏せました。
「だいたいなんで私の彼氏だなんて嘘ついたの?」
「これから本当になるから
嘘じゃなくて事前報告だもん」
オオカミ男は口を尖らせます。
「『だもん』とかヤメロ。理由になってないし。」
赤ずきんは呆れたように言い、
少し躊躇ってから言葉を続けます。
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