赤い頭巾と犬の耳

6/14
前へ
/14ページ
次へ
「よく来たねえ、待ってたよ」 「………………………」 上品なソファーの上にはバスローブを来て空のワイングラスを持ってくつろぐ、若くて綺麗なオオカミ男がいました。 「さあ、そのワインを、」 赤ずきんはすかさず家に入りかけた足を戻し、扉を静かに閉めました。 「え?ちょ!?なんで閉めちゃうの?」 オオカミ男が扉に近づき、扉に手をかける音が家の中から聞こえると、赤ずきんは、これまたすかさずに 「おばあちゃんもいない、誰もいない、…誰もいない!」 全身を使って扉を押さえます。 すると、 「あら、赤ずきん、いらっしゃい。入らないの?」 と後ろから優しげな声がかけられました。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加