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「なっつん、そういえば王国の道で爆破事故があったらしいよ?」
三咲の冷静な言葉とは裏腹に、私はビックリして声もでなかった。
“ストリート キングダム(王国の道)”とは何者とでも愛し合うことができるという人気スポットで別名“恋愛通り”と呼ばれている。
由来は平安時代、天皇が妃として迎えたかった女性が親の反対で死刑になってしまい天皇は悲しんだそうだ。だが、その女性は天皇との結婚が諦めきれず霊として現れ、天皇も承知しその通りを歩いた。すると、今まで反対していた親は様子が変わり結婚を認めてくれたという言い伝えがある。
私はこれを初めて聞いた時、疑問が浮かんだ。
なぜなら、霊を成仏するために親が結婚を認めるのは当然だと思ったからだ。
最近では、『これは上辺だけの作り話だ』という声も上がっており、本当の伝説が実際に存在するらしい。
でも、私はあの道には特別な感情を抱いている。
好きとか嫌いとかではなく、憧れているのだ。
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