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「悪い、絢音。俺、蘭丸の掃除手伝うから、今日は斎藤と一緒に先に帰ってて」
ああ、そういう事。
私は朱雀に頷いた。
それから時任くんを睨んだ。
「孫の代まで呪うわ」
「そんなに!?」
「……冗談よ」
そう言って私はお弁当を二人に見せた。
「それより、ご飯食べようよ」
そう言うと朱雀は私に近付いて私の手を握った。
驚いて朱雀を見上げる。
朱雀は優しく微笑んでいた。
「家に帰ったらメールして」
「え?」
「絢音の家、行くから」
「!?」
驚いていると朱雀は私に軽くキスをした。
幸せすぎて本当に怖い。
真っ赤な顔でそっぽを向くと朱雀はクスッと笑った。
放課後。
朱雀は時任くんを連行して教室を出ていった。
私は私に近付いてきた久美に笑いかけた。
「私達は帰ろっか」
頷く久美。
教室を出ようとすると、誰かに後ろから首を叩かれた。
え……?
私の隣で久美が倒れる。
私も意識が保てなくなって
視界が暗転した。
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