1人が本棚に入れています
本棚に追加
「魅恋、ご飯ここにおいとくから・・・たまには出てきて食べてよね・・・」
それだけいって母は降りていく。
それを確認した後、ひっそりと扉を開け笹谷魅恋(ササタニミレン)は晩御飯のおかれたトレーをとり、再び扉を閉め鍵を閉めた。
暗い部屋の中にパソコンの光だけが光り辺りを照らす。
魅恋はその前へと質素なご飯を運び、画面を見ながら食べ始めた。
カチカチとSNSサイト『アバター』を見渡す。
『アバター』とは、実際の自分ではないキャラクターを作りあげ、それを操作して他の人と話たり、ゲームを楽しむことが出来るSNSサイトである。
?
メールの着信音
『アバター』の中のメールのようだ。
カチリッっとクリックして、メールを開く。
from:黒神
件名:無題
あなたは、見るところ引き籠もりのようだ。世間が蔑み、社会の屑と言われている人種であるとおもっていませんか?
「は?なに言ってるの?こいつ。私が好きでこんな暮らししてるとでも思ってるの?」
つい、あまりに理不尽な内容にパソコンに向けて声をあげてしまった。
黒神。
最近、魅恋のゲームの仲間になった、アバター上、男。
from:黒神
件名:無題
そう、あなたは、社会の認識している引き籠もりとは違う。
あのような屑では、無い。
最初のコメントを投稿しよう!