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数センチ程降り積もった雪景色が都市の明かりと絶妙なコントラストを遂げている。
「はぁ、家に帰りたいなぁ」
ライトスノー学園三階校舎から窓の外を見ながらそう呟く少年。
そこに一人の少女が通りかかった。
「あんた、いつまでそこ立ってるの?邪魔よ」
「ん?何だお前。いきなり暴言吐いてんじゃねーぞ」
窓からの眺めが良い3階の時計塔付近の校舎の一角、6年3組のクラスの廊下で事件は起こった。
「あんた、誰に物言ってるかわかってるの?」
高飛車な態度のこの少女はこの都市最強の人間のガレイ=アルフェッタの娘、エミリア=アルフェッタである。
透き通るほどの綺麗な金髪で青い瞳を持ち、その容貌は威圧感こそあるものの、誰もが認めるであろう、美人である。
それにかなりの魔法の実力の持ち主で、知る人ぞ知る男子生徒から恐れられており、絶対に敵に回してはいけないと噂が立っていた。
当の本人は何故そこまで自分に注目するのかよくわかっていないため、訝しげに噂に耳を立てていた。
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