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洋介『ねぇーぴえろさん!ぼくもぴえろになりたいよぉ、どうしたらなれるの?』
アヒャアヒャ
洋介「そうだ…たしか俺はそう言ったんだ……それで奴は…」
ピエロ『アヒャヒャ…君がもう少し大人になったら、連れてってあげるよ…アヒャヒャ…』
洋介は記憶をさらに記憶を辿る。
アヒャヒャ
洋介『ほんとぉ?やったぁ!!約束だからね!!』
ピエロ『アヒャヒャ…約束約束…アヒャヒャ…』
アヒャヒャ…
洋介「………そうだ…この後たしか火事があって………ピエロは死んだはず!?」
『カンカンカンカン』
洋介『おかあさん、ねぇ、なんでサーカスもえちゃったの?ぴえろさんは?』
母『ピエロさんはね…どこか遠くに行ってしまったのよ』
母さんは優しく幼き日の自分を抱き締めた。
洋介「そうだ…やつは死んだんだ…でも………やつは生きていて……明日俺を殺しにくる…」
その時だ。
天井の不気味な影に洋介は気付いた。
そこには、首が180回転しているピエロが天井にまるで蜘蛛のように張りついていた。
洋介「でたな…」
洋介は近くにあったハサミを手に取る。
ピエロ「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ……思い出したようだね……でも……アヒャヒャヒャ…………チェックメイト………」
ピエロはナイフを取りだし、一直線に洋介に落下した。
洋介はそれを避ける。
洋介「やられて…たまるかぁ!あらがってやる!例え俺がお前に殺されるのが運命だとしても!、俺は最後の最後までその運命にあらかってやる!」
洋介はハサミを振りかぶった。
洋介「くらえぇぇ!」
ザクッ…
洋介はピエロの背中にハサミを突き立てた。
そしてピエロは糸の切れた操り人形のように動かなくなった。
洋介「…やったのか……?」
洋介は二三歩後退し、その場に座り込み、自分の手を見下げた。
洋介「尚人たちの…仇はとれた……全部終わったんだ!!」
洋介は喜んだ、しかしそれもつかの間だった。
そこにあるはずの物がないのだ。
洋介「ピエロの…死体は……?」
洋介は立ち上がった。
その時、洋介は背後になにか不吉な塊があることに気付いた。
しかも、それは笑っている。
ピエロ「アヒャヒャヒャ……お返し………」
ザクッ!!
洋介はさっき自分がピエロに刺した場所と同じところに冷たい何かが突き立てられた感触を認識した。
なにかどろどろしたものが滴りおちる。
そこで洋介の意識は遠退いた。
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