再会

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王子様が足を踏み入れるにはあまりにも不似合いな、ボロボロの家。 それなのにレナードは何の躊躇もなく使い古されたソファーに腰をかけた。 「王の説得は容易だったが、予算を担当する者がなかなかOKを出さなかったんだ。だから、約束の日にちを破る結果になってしまった。本当に申し訳ない。」 座るなり神妙な面持ちで頭を下げるレナード。 私は必死に首を振り、笑った。 「いえ…こうしてきちんと来て下さっただけで、本当にありがたい事です。」 「ありがとう…そう言ってもらえると救われるよ。クロン村にも少しずつ整備を入れる事になった。もちろん、美しい自然を壊さないように。クロン村は街よりよっぽど海辺がキレイだし、そこも整備すれば観光地として申し分ないだろう。」 何枚かの書類を差し出し、レナードが指を指しながら説明してくれる。 だけど、私はレナードの話を聞くだけで精一杯だ。 だって…私は、書類に書いてかる文字のほとんどを読む事が出来ないのだから。
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