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「久しぶり。なんか、綺麗になっちゃったね。」
「なっちゃったねって(笑)失礼だなぁ。」
迎えにきた彼の愛車の助手席に座って、私たちは他愛もない会話を楽しんだ。
「今日は何食べに行くの?」
「中華!おいしいとこ知ってるからね。任せとけ!」
お店に到着して、彼は食べきれない数の料理を頼んだ。
「ちょ!こ、こんなに食べれないよ!?どう考えても二人分じゃないでしょ!」
「まあ、いいじゃん(笑)」
「料理もったいないよ(笑)」
笑いながら話した。
なんだか、自分の昔を知っている幼なじみのお兄さんみたいで、一緒にいて気分がよかった。
お腹いっぱい食べて、二人でケラケラ笑いながら車に乗った。
そのあと、私の家の最寄り駅まで行くと行って彼は車を走らせた。
窓から最寄り駅が見えて、「もうお別れか。でも、楽しかった。」と、純粋に上機嫌な私に反し…
「え?…駅すぎたよ?」
「いいじゃん。ちょっと寄り道しようよ。」
駅を通りすぎた彼の車が向かったのは、人気のない駐車場だった。
「星でも見ようか。」
私は笑顔で頷き、フロントガラス越しに空を見上げた。
「ここからでも見えるんだ…ね」
ほんの一瞬の出来事だった。
何故か私は、彼に抱きしめられていた。
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