罪悪感と甘い毒

4/6
前へ
/18ページ
次へ
「え、なっ………」 何?と聞こうとした時には、唇を塞がれてしまった…。 頭が混乱していた。 「美羽がいけないんだよ。ちょっと見ない間に、こんなに綺麗になるなんて…。」 私の頬を両手で包むように支え、もう一度キスをしようとした。 「ちょ、ちょっと!まっ…」 避けようともがいたけど、無駄な抵抗だった。 今度は、さっきと違って彼の舌が私の咥内に入ってくる…。 「ん…む……っ…」 彼の胸板を押し返しても、私の体を抱きしめる腕の力には勝てるわけがなかった。 何度かキスを重ねた彼の唇が、湿った音を立てて私の首に吸い付いた。 「肌、白くて綺麗だね。」 突然の刺激にビクッと身体を震わせると、今度は片手が私の服の中に潜り込んでくる。 手慣れた様子でブラを押し上げ、支えを失った乳房をやんわりと揉んでくる。 慣れない刺激に身体が反応して、喘ぐような吐息が出てしまう。 「だ、だめ…、だめだっ…て…」 息も絶え絶えに静止を求めても、彼の行動はエスカレートする。 頭の中は、自分の中に隠されていた黒い感情と、顔も知らない奥さんへの罪悪感でぐちゃぐちゃになっていた。 彼に触れられた瞬間に、喜びから濡れたこの身体を、私は自己嫌悪していた。 どうしてこうなったの? 脳内は幸せと罪悪感と疑問符で埋めつくされていた。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加