儚い回想

2/6
前へ
/18ページ
次へ
阿久津美羽、十四歳。 私はこの時に、貴方に出会えたことを無邪気に喜べた。 きっと、何も知らなかったから。 今時の中学生みたいに、ませた事はできなかったから。 ひょんなことから出会った貴方に勝手に惹かれていた。 初めて会ったのは、学校イベントの時だった。 覚えてるかな。 私が落としたリップクリームを、貴方が拾ったこと。 そこから全てが始まった。 その時には、私がこんなに泣き虫になるなんて知らなかった。 27歳と14歳。 誰が見たって犯罪だと、親は馬鹿にしたけれど。 それでも、私は真剣だった。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加