儚い回想

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その次に会ったのは、地元の夏祭りだった。 ふらふら歩いていたら、「あれ。ねぇ、ちょっと。」と、不意に声をかけられた。 視線を上げると、うちわを扇ぐ貴方がいた。 「あれー、久しぶりですね。何してんですか。」 「お仕事。そっちは?一人できたの?」 「ああ、友達帰っちゃったんですよ。だから、一人でふらふらしてました。」 その後、パイプ椅子を貸してもらい、腰掛けながら他愛もない話しをした。 のんびりした時間が流れた。 「そういえば、美羽って携帯持ってるの?」 「え、持ってないよ。うち厳しいから。」 「じゃあ、連絡取れないね。」 「えー。家電は?(笑)」 「えー!親御さん出たら気まずいだろ(笑)」 「え、大丈夫だよ(笑)」 「じゃあ、美羽が俺の携帯に電話しなよ。それなら安全。」 「どこが(笑)」 こんな会話を続けていたら、彼の周りがなんだか忙しそうな雰囲気になってきた。 「人がたくさんだね。私、人込み嫌だからどっか行く(笑)」 「おう、どっか行け(笑)」 そんな冗談をかましながら、私はラムネを買いに行った。 もうすぐ、祭の醍醐味でもある花火が始まろうとしていた。
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