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気づけば私は、草の上で眠っていた。
心地よい風が吹けば、草を揺らし、その音が心に安らぎを与えてくれる。
無意識に私は、栗色で長い髪を撫でた。
目を覚ました私は、雲が少ない空を見上げ、そんなことを感じていた。
だが、晴れやかな空に反して、私の内心は曇っていた。
曖昧でしかたがない。
まず私が疑問に思ったのは、どうして私はここで眠っていたのか。
そして、ここは何処なのだろうか。
意識はやや朦朧としているが、考えることはできる。
一度、現状をまとめるのが一番だ。
起き上がると、目の前には幾つもの柱が突き立てられた湖があった。
六角形のその柱には、しめ縄が縛られている。
ポケットの中には?
私はブレザーのポケットの中身を無造作に取り出す。
シャープペンシル
手帳
消しゴム
携帯電話
未開封のガムが三つ
そして、白紙のカードが十三枚。
パッと見た限りだと、普通の材質のカードである。
クレジットカードみたいに、磁気が入っているわけではない。
私は再び周りを見回す。
手提げバッグを見つけた。
バッグをひっくり返し、中身を草の上にばらまく。
体操服の上下
紺色のブレザーとスカート
教科書、ノートの類い
筆箱
携帯電話の充電器
キーホルダーとぬいぐるみ
そして、生徒手帳を見つけた。
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