1.幻想郷へようこそ

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私は人影を見ながら、足下に散らばった物を、バッグに詰め込む。 ある程度近づいてきた二人をよく見てみると、早苗と呼ばれた女性は……いや、女性と呼ぶには若すぎる。 私と同い年くらいだ。 年頃の女の子、といった感じだ。 童顔だが、綺麗な顔立ちをしており、中々のスタイルをしている。 一方、神奈子と呼ばれた女性は。 妖艶な眼差しをしており、大人の女性を彷彿させる出で立ちだ。 危うく、その眼差しの虜になってしまうところだった。 「あなた、名前は?」 早苗さんは、私に近づくなり名前を聞いてきた。 「輕部 心結」 馴れ馴れしさに少し圧倒されながらも、素直に答える。 「輕部さん、って言うんだね。私は東風谷 早苗。あの方は八坂 神奈子様です。この湖を拠点としている守矢神社の巫女と神様です。良ければ信仰てください」 「え!? はい?」 ズンズンと詰め寄ってくる早苗に、私はジリジリと後ろに下がる。 突然色々なことを言われ、脳の処理が追い付いていない。 巫女? 神様? 信仰? 一体なんのことだ? 「早苗」 そんな私の心情を読み取ったのか、神奈子さんは咳払いをして、早苗さんの名前を呼ぶ。 その声に我に帰った早苗さんは、私から離れてくれた。 「す、すみません。私ったらつい………」 早苗さんは赤面して俯く。 「いえ………」
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