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お互いの話していることが、お互いちんぷんかんぷんだった。
お互い、自分の自己紹介をしては
「全然わかんなーい」
とケタケタ笑っていた。
一緒に話していたはずの馨はおいてけぼりを食らっていた。
身体測定も終わり、列もバラバラに教室へ帰るまでに、茉希も合流した。
「あー、茉希!こちら、さっき仲良くなった、えーと…山…本奈月さん!」
「違うよ!山口奈月です!あんな盛り上がって、まだ名前間違えるってどういうこと!?」
「あはは。ごめんごめん!色々話しすぎて名前忘れた(笑)」
「よろしくね。山口さん。沙織がこんな爆笑してんの珍しいね」
「えーそうなの?さっきから笑いっぱなしだから、こんな子なんだと思ってたよ」
馨がそう答えた。
「あたしもそう思ってたー」
元気に奈月も同調する。
4人グループが出来るのは、あっという間だった。
次の日からお弁当は4人で食べた。
40人のジョシが、同じクラスにいた。
なぜ、ジョシってグループに分かれたがるんだろう。
同じグループの、○○ちゃん。
こんな紹介を大人になっても割とよく聞く。
周りの男子を見ても、何となくいつも一緒につるんでいるメンツは決まっていても、そこに明確なグループ分けはないように思えた。
でも、ジョシは別。
同じグループの子は、他のグループの子よりも大切にしなくちゃいけない。
暗黙のルールがそこには存在するように思えた。
そして、たいていそのグループ作りはクラス替え後の1ヶ月くらいをかけて行われる。
そこで気の合わない人たちと一緒になってしまったとしても、グループを移動することは、何となく難しい。
さらに、ジョシのグループには目に見えないヒエラルキーが存在しているように思う。
トップに君臨するのが、いわゆるギャル系。
そこから、派手な順に並び、下に見られるのが、いわゆるオタク系ジョシ。
例えば、グループ内でハブられたとしたら、ヒエラルキーを一つくだり、下のグループに入る。
別にギャルが偉いわけでも、オタクがダメなわけでもないのに、なぜか存在するヒエラルキー。
きっと、この感覚はジョシにしか分からない。
沙織はよくそんなことを考えていた。
そして、そんなジョシ独特のグループ分けを馬鹿らしく思っていた。
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