プロローグ

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皆様?回りには翔しかいない。 誰がしゃべってんの。 「おそらく今は誰かと二人きりでしょう。 他の方々は別室にいらっしゃいますからご安心を。 そしてこの声は皆様に届けられています」 訳のわからないまま話が進んでいく。 その声はまるで、脳に直接届くみたいで。 「これから貴殿方にはゲームを受けていただきます。 参加は自由です。 参加しないならすぐ、"元にいた場所"にお返しいたします。 しかし、不参加の方々に待っているのは"死"です」 なに、どういうこと。 「気を失う前、貴殿方はどうしていましたか? 飛び降りました 自害しようとしました トラックに跳ねられました 通り魔に刺されました 毒薬を飲みました そんな状況でしたね」 たしかに…私はトラックに跳ねられた。 じゃあ、翔は…? 「…俺は友達の飛び降りに道連れになった。 ただ、地面に落ちた覚えはない」 つまり、私たちが此処に来たのは死の直前? 元いた場所に…って、つまり… 翔ならば飛び降りた空中、私ならトラックの前ってこと…? 「参加していただければその状況からお救いいたしましょう」
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