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「なぁエステル。」
ユーリはニヤニヤしているが、エステルは気づかない。
「はい、なんでしょムグッ」
エステルが顔を上げると、ユーリが話してる途中にも関わらず、ケーキを「あーん」と言いながら食べさせた。
「どうだ、美味いだろ♪」
ユーリは得意気に言った。
口に入った瞬間は美味しそうにしたエステルだったが、すぐにしかめっ面になったエステルを見て、
「安心しろって、また一緒にあれ、やってやるから。」
とユーリが言うと
「むー、ありがとうございます。でも、ユーリはあれを楽しみにしてますけど、私はあまり好きでは無いんですよ。」
そう言うエステルの顔はしかめっ面のまま。
「わーたよ、さっき景色が綺麗な所見つけたから、そこに連れてってやるよ。」
「はい、楽しみにしてます。」
とさっきまでの表情が嘘のよいな満面の笑みで答えた。
「なっ、お前なー。まったく誰に似たんだか。」
とエステルにまんまとやられたユーリは呆れた表情をした。
「ふふっ、誰でしょうね~♪」
日頃の仕返しができたばかりにエステルは上機嫌だ。
「…」
ユーリは黙った。
「ユ、ユーリ?もしかして起こっちゃいました?あっあの、そのあのケーキは美味しかったですよ?あっあと」
あたあたとエステルが言い訳を始めると、
「ぷっ、アハハは。別に怒っちゃいねーよ、アハハハ。」
エステルの必死な様子に耐えられなかったのかユーリは笑いだした。
「なっ、ユーリはイジワルです。」
そう言うエステルは少し紅くしながら、笑っていた。
そんな少しだけ甘い空気だった二人のもとに…
「ユ~~リ~~♪」
と元気な声が響いた。
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