【プロローグ】

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 ボクは、廃墟と化した誰もいないホームに佇む、一両の黒い列車に乗り込んだ。  真夜中に鳴り響く不快な発車ベルの音。列車は悲鳴にも聴こえる、甲高い鉄の摩擦音をボクの腹に響かせながら走り出す。  発車した列車がすぐ先の暗闇のトンネルへと走り込む。そのトンネルは未完成で貫通していないし、線路も途中で途切れている。なのにも関わらず列車は永遠の暗闇を走り続けた。  しばらくの沈黙の中、誰も乗っていない列車の中で肩を揺らしながら座るボクに、一本のギターが声を掛けてきた。「怖がる必要は無いさ、俺が傍にいるからな。」とボクに元気付ける彼(?)に対してボクは「そうだね…」と返答して微笑んだ。  ボクと彼(?)は列車が目的地にたどり着くのを列車の揺れと共に、肩を揺らしながら待った。
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