カラオケ。

2/5
316人が本棚に入れています
本棚に追加
/345ページ
次の日。 あたしは当たり前のように学校に向かう。 まだまだ気恥ずかしい制服を着て 母の作る懐かしい手料理を食べて 父の元気な姿を見て 弟のまだかわいい中学生姿を見て。 「あっ藍子おっはよー!」 上履きに履き替えていると、後ろから聞き慣れた声がする。 「おはよ…」 朝から元気だなぁ麻里絵… 教室に入ると、ドアの近くにいた平山君と目があった。 「おはよう」にこっ 「おはよう…」 お?照れてる照れてる。 すると後ろからバシッと音と共に頭に何かが当たる。 振り向くとそこには高やんがいた。 「はい、おはよ」 「あ…おはようございます。」 「あっ高やんだぁ!」 「…だからなんで高やんなんだよ」 「だってぇー高やんって感じじゃん?!ねぇ、藍子ー?!」 「えっう、うん…そうだね…」 「どうしたの藍子ー?いつもだったら絶対「高やんってマジうけるー」とかいうのにぃ」 「……」 昔の自分て…そんなんだったっけ。。 とりあえず……すまん高やん。 「…はいはい、いいから席つけー」 もう一度ぱこっと軽く頭を名簿で叩かれたあたしは、たかやんに軽く会釈し席についた。 その様子を見て、ぷっと高やんは笑っていた。 一限目は「数学」だった。 …案の定ちんぷんかんぷんだった。 とりあえず必死にノートを取るが、高 一から、いや、下手したら中学からの数学の基礎なんか覚えてやいない。 ノートを取ったところで一から勉強しなければ、ついていけないだろう。 あたし、このままだと、大学に入れないかもしれない… 背筋がぞくっとした。
/345ページ

最初のコメントを投稿しよう!