恋敵。

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「ねーそういえば! 藍子って平山君と付き合ったりしないの?」 「へ?!」 「そうだよねぇ…両想いっぽいのに…」 「あーダメダメ! 藍子は恋愛になると奥手になっちゃうの!ねっ藍子?!」 「…う、うん…」 …言えない。 まさかあたしは 高やんのことが好きだなんて… 「ってか珠樹ってさぁ! 絶対高やんの事好きだよね!?」 どきぃ!! 高やんの名前が出たことに動揺する。 だけど、それよりも 麻里絵の言った言葉に 心臓がドクドクと鳴り出す。 「えっ別にあんなオヤジ好きじゃないし!」 「うっそだぁ!絶対好きだよー! 見てたら分かるもん!」 …あたしも薄々気付いてはいた。 朝、遅刻ぎりぎりでやってきて、 高やんから名簿チョップを食らう 珠樹の顔は、どことなく嬉しそうなのだ。
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