君の声が聞こえる

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私の無罪が認められ釈放となり病が治る頃、私は蝦夷地の専門家として幕府に取り立てられ、再び蝦夷の大地を踏みしめる事が出来た 『青島…蝦夷に帰って来たぞ。此度は何処を見て回ろうか?』 蝦夷地に赴けば青島に会える、そんな気がしていた 以前世話になったアイヌの人らに青島の死を告げるとある場所へと案内してくれた 『ここは…』 見渡す限りの湿原、多種多様な野鳥も居る 『そうだ、タンチョウヅル…』 青島と最後の夜に語ったタンチョウヅルもそこで羽を休めている 「ここはすべてのものが集まり休む場所、“聖なる場所”として我々は大切にしている場所です」 きっとここに長い旅路で疲れた青島も休みに来るだろうということで、アイヌ式の墓を作って貰う事にした 「実は私の所に毎夜青島さんが来られていたんです」 .
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