首だけ

3/7
163人が本棚に入れています
本棚に追加
/208ページ
大学を終えると男は、そのまま家に帰りいつもの様にカップラーメンを食べ、テレビを見ながら横になると、いつの間にか眠りに就いていた。 丑三つ時: 「…………っ」 男は飛び起きた。 独り暮らしのはずだが何故か声が聞こえる。 「………に来ました」 男「誰だ!」 辺りを見回すが誰も居ない、しかし再び。 「上着を返しに来ました」 確かに聞こえた。 上着?しばらく考えると、昨夜の事を思い出した。 男「何処にいる!」 「……………」 声はすれど、何処にも居ない、恐怖にかられながら、家の扉、窓ありとあらゆる所を見回ったが何処にも人が入った形跡は無かった。 男「何処にいる!」 そう叫びながら部屋をウロウロしたが、見つからなかった。 しばらくすると。 「……此処です」 声がした。 しかし聞き耳を立てないと分からないくらいの物だった為、暫くじっと構えていた。 「此処です」 また聞こえた、今度はしっかり聞こえてきた。 下から声がする。 男は意を決して下を見たが、床には何も無かった。 また暫くすると。 「此処です」 と聞こえてきた。 男はやっと何処から聞こえてきたか分かると、再び恐怖を振り払い覚悟を決めた。
/208ページ

最初のコメントを投稿しよう!