『保険』の品格

9『初恋』～エピローグ

優勝を争う相手の選手のティーショットはフェアウェイ。
でも隆弘も第2打をうまくリカバリーして見事に2オン。
相手の選手もさずがプロ。同じく2オン。
2人の勝負はグリーン上に持ち越された。
隆弘のほうがカップに距離が近いので後に打つ。
先に相手の選手のイーグルパット。
カップには寄ったが勢いが足りず、カップインならず。

そして…次は…隆弘の番。
緊張のイーグルパット。
イーグルを狙うには距離、位置など条件は整っている。

そして隆弘がこのイーグルパットを沈めれば…優勝!
初優勝が決まる。

隆弘がパターを構える。
緊張感が伝わってくる。
ギャラリーも静まりかえった。

固唾を呑んで隆弘を見守る。

コツン…とこぎみ良い音がしてボールがカップに向かって一直線に転がる…。

コロコロコロコロ…

カラン!

ボールはそのままカップに吸い込まれるように入った。

その瞬間この日一番の歓声があがる!
隆弘のガッツポーズとともに。

「今大会、優勝者は『皆本隆弘』選手です!」
アナウンスがコース内に響き渡る。

わたしは優勝が決まった瞬間涙した。