冬至祭

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《そろそろ帰らねばならないんじゃないか?人の子よ。落ちているのは涙の結晶だ。好きなだけ持って行くといい》 「楽しかったわ。今度は箒に乗って来るからね!」 ベッドカバーに結晶を集めながら、ウェンズディは笑う 《学校まで送っていこう。私はお前を気にいった。私の名前は*****だ。いつでも呼ぶといい》 ドラゴンの涙を集めたウェンズディとロロを乗せて、ドラゴンは学校へと飛んだ 学校に戻りウェンズディが、ドラゴンと別れを告げて帰ろうとした時、後ろからラストの声が聞こえた 「さっきの。ドラゴンか?」 ウェンズディの顔が一瞬歪んだ後、勝ち誇った顔になる 「そうよ!残念だったわね。ラスト!ちゃんと【竜の涙】も準備出来たからね!」 ラストは呆然とした顔になる 「参ったなぁ。何でウェンズディはいつもそんか予想外なんだ?」 ぶっきらぼうに手に持っていた花をウェンズディに差し出す 「何よ?これ」 『愛の告白?』 「バカ。んな訳ねぇだろ?これが冬至祭で必要な方の【竜の涙】。険しい崖で咲く花の名前なんだよ。まさか、本当のドラゴンの涙を持ってくるなんて……」 「う…そ……」 愕然とした顔になるウェンズディとロロに、ラストは笑い出す 「何でそんな顔になる訳?」 「だって……このままじゃ落第じゃない!それよりも、役立たずって学校追い出されちゃう!」 「君がどれだけ凄い事をしたかって自覚ないの?ドラゴンの涙なんて、今の魔法使いで取れる人なんてそうそういないぜ?」 ラストは【竜の涙】を押しつけて、笑いながら去って行った 『ラストは負けず嫌いだからな。ライバルと思ってる奴しかいじめないよ』 ニヤニヤと笑ってラストの大鴉も去っていく 「これって……」 自分の持ってきたドラゴンの涙とラストの【竜の涙】を呆然と見比べる 「一発逆転?」 ロロは聞こえないふりをして、ウェンズディの部屋に飛んで行った
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