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この国では、稀に魔法力を持ち、使い魔を抱いて生まれてくる子供がいる。その子供達は7歳になると、正しい魔法の使い方を学ぶ為に、家を出て魔法学校で暮らさなければいけない
だから、この学校にウェンズディが居て、使い魔が側に居ると言う事はウェンズディにもちゃんとした魔法力があると言う事なのだ
7歳から15歳までしっかりと魔法を学び、精霊と契約を結び、次の年からは国の機関で仕事を受ける、謂わばエリートコースに居るはずなのだが、ウェンズディは箒にも乗れないし、未だに精霊と1体も契約を結んでいない。というか、呼び出しに成功していない
もちろん、同じ学年で精霊との契約を一体も結んでいないのもウェンズディただ1人だ
「ねぇ。ロロ?この学校の卒業の条件って、精霊と一体以上契約を結ぶ事よね?私、卒業出来ないかもしんない」
一通り暴れて少しは落ち着いたのか、今度ははロロに愚痴を溢し始める
「落第なら良いけど。追い出されたらどうしよう。家に私の部屋。まだあるかしら?」
ウェンズディは15歳だから、来年の3月には卒業だ。だから、残りの3ヶ月で精霊と契約を結ばなければいけない
『ウェンズディはさ。人間以外の生命体と言葉を交わせるから、動物園にでも就職したら良いんじゃないか?』
魔法力を持って生まれた子供は1つだけ、生まれつき備わっている力がある。ウェンズディの場合は、生命を持つモノなら何でも詠唱無しで言葉を交わす事が出来るという能力だ
「ふん!良いかもね!ロロは檻ん中で見せ物になりなさいよ!」
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