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ウェンズディがクラスで一番難しい【竜の涙】を担当すると言った時も、一番に反対したのはやはりラストだった
「箒にも乗れないくせに、【竜の涙】なんて獲れんのかよ。この材料集めがどれだけ重要な事か分かって言ってんのか?」
冬至祭の魔法は、新しい太陽の力を存分に引き出し、学校だけではなく、町全体を守る魔法なのだ。失敗は許されない
「やってみなきゃ分かんないでしょ!私は絶対に獲ってくるんだから!」
今にも噛みつきそうな勢いで、ラストを睨む。失敗したら後がないのはウェンズディも同じだ。一番難しいと言う事は、危険でもあるのだが、引き下がれるはずはない
どう言っても折れそうに無いのを察したのか、ラストがため息をついて引き下がった
「じゃあ、先生。俺はその【カナリアの羽】でお願いします」
材料の中で一番簡単なモノだ
「これなら、ウェンズディも簡単に集められるだろ?」
「どういう意味……」
ウェンズディが言い終わらないうちにラストが続ける
「それと【竜の涙】。ウェンズディも【カナリアの羽】も用意しとけよ」
材料集めの期日は3日。あからさまにホッとした顔をする先生を見たら、ウェンズディも引き下がるしかなかった
「ラスト!絶対にあんたに【カナリアの羽】を持って来させてやるんだからね!」
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