冬至祭

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急ブレーキが掛かったベッドカバーは、なんとか数メートル転がるだけで止まってくれた 『おーい。ウェンズディ。生きてるか?』 恐る恐るロロが近寄る 「もう!ベッドカバーが泥だらけになっちゃった!」 もちくちゃになったベッドカバーから這い出したウェンズディは、元気に怒りの声をあげた 『ベッドカバーの心配より……』 ロロがウェンズディの後ろを見上げる。ウェンズディの後ろには巨大な岩の裂け目があった 「ここが、ドラゴンの住処……」 夜明けにはまだもう少し時間が掛かるが、ずいぶんと白み始めた周りの景色に比べて、裂け目は真っ暗だ 『明るくなるのを待とうか?』 ロロの尻尾が通常の3倍くらいに膨れあがって、ウェンズディの背中にしがみついている 「そっと入って、起き抜けのアクビくらいを狙わなきゃ、涙なんて取れないんじゃない?それとも、ロロは怖いの?」 ウェンズディの声も心なしか震えている 『違うよ!ウェンズディが怖いんじゃないかって、心配してあげただけだよ!』 ウェンズディは何も言わず、ロロの尻尾を見て鼻で笑った 『ベッドカバーをここで守っていようか?飛ばされたら大変だしね?』 「ベッドカバーも持って行けば良いじゃない!ロロは私の使い魔なんだから、ベッドカバーじゃなくて私を守りなさいよ!」
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