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「ふっ二人いっぺんに来るなんて卑怯だから一人ずつにしてね!!!」
そう叫ぶとまず、一人の足を引っ掛けて転ばせその勢いでもう一人の顔に持っていたスクバで思いっ切り殴りつけた。
「があぁぁ!!はっ鼻が!!」
どうやら顔を殴りつけた人は鼻にクリーンヒットしてしまったらしく顔面を押さえて悶えていた。
さて、もう一人は
「死ねえぇぇ!!!」
「っ!?うそっ!!」
起きあがるの早くない!!ヤバいよ!!
浪士との距離はすぐそこで浪士はすでに刀を振り下ろしていた。
斬られる!!!
死ぬことを覚悟して目をギュッと瞑った。
あぁ、斬られたら痛そうだよ…なんでこんな事になったのだろうか…
こんな訳の分からない状態のまま死ぬなんて…
うちはここで死んでしまう身だけど真示は無事に現代に帰れるといいな~
あぁ、最後にチョコが食べたかったな。
……てか、痛みが来ないんだけど
不思議に思い目を開けると目の前にはさっき自分を斬ろうとした浪士が気絶していた。
そして傍らには刀を手に持ち、白い三角形の柄に水色っぽい色をした羽織りを着ている男の人がいた。
髪の色は落ち着いたブラウンで爽やかな顔つきでニコニコしていた。
見た感じでは好青年という言葉がぴったりだった。
「大丈夫ですか?」
その男は刀を鞘にしまいながらうちに尋ねてきた。
「はい、大丈夫です。助けて下さってありがとうございます」
さっきうちが痛めつけた二人もこの男と同じ羽織りを着た人達が捕縛していた。
「いえ、礼には及びませんよ。では、屯所にご同行願いますか?」
「…はい?」
この男、ニコニコしながら何て言った?
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