第一章

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桜に包まれたまま浮いていた体が不意に地面に下ろされた。 ギュッとつぶっていた目を恐る恐る開けるとそこはさっきも立っていた河川敷だった。 でも何かが違う。 道は舗装されていない。 川はゴミなど一切ない。 川で遊んでいる子供達は着物を着ている。 そして、ある訳がない立派は桜の大木があった。 「どこなんだここは…」 隣を見るとまだ目をつぶっている蒼香がいた。 「蒼香、見て見ろよここ…」 声をかけると恐る恐る目を開けてこの景色に唖然としていた。 「何ここ…」 「俺にもわかんねぇ…」 しばらく2人でボーとしていたけど、 「このままで居るわけにもいかないから取りあえず家のある方に行くか」 「うん、そうだね」 そう言って2人で家がある方に歩いていった。
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