鳥籠の少女

2/2
前へ
/4ページ
次へ
 息を荒くして自宅に帰宅した少女、縁(ゆかり)は家に誰もいないことを確認した。 縁は父親と共に暮らしている。 父親は仕事が忙しいのか、はたまた縁と会うのが嫌なのか、自宅にはしばらく帰って来ていない。 帰ってきていないというより何ヶ月も顔を合わせていないのだ。 顔を見なくていいのだから嬉しい限りなのだが。  縁が幼い頃両親が離婚した。 原因は父親の浮気。それ以来、両親は離婚し母親っ子だった縁は幼いながらにして父親を恨んだ。 父親は酒に金を注ぎ、出来の悪い子だと、縁を罵倒し暴力を振るい続ける毎日だった。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加