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――起きたくなかった…。
涼はそう思いつつ
やかましく鳴っている目覚まし時計を止める。
そしてもそもそとベッドから起き上がり
立ち上がって背伸びをした。
彼は決して身長が高いわけではないのだが
背伸びをしただけで天井に手がついてしまうのが悩みの種。
成長期を過ぎた今、もう伸びないだろうと思っている身長が伸び続けている彼にとっては
ちょっと苦しい状況…
その背伸びで天井に手が着いた状態のまま
部屋を出ようとした
その時だった
「お兄ちゃん!起きなさーぁぁ……い?」
涼を起こしに来たのであろう彼の妹がドアを蹴破って登場。
だが、彼が起きていたことに驚いたのか
言葉の勢いが尻すぼみになってしまった。
そんなキョトン顔で入り口に立ちすくむ妹に歩み寄り
彼女の頭にポンと手を置き
「おはよう、奈柚。」
と言って横を通過していった。
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