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残念ながら犯人はいつの間にか消えていた
あたかも最初からそこにいなかったかの様に…………
「……オレ、あん時のジンが一番怖かったよ」
震えながらにそう言う優真
ジンは公園に着いた直後、優真にメールを送った
今考えてみれば、何故あそこで冷静になれたのか
メールを送るまで実感が無かったのだ
さっきまで笑ってた人間が、こうも簡単に動かなくなるものなのかと疑った
翔と里奈の首があった部分を触り、確かめ、気付けば暴れていた
騒いでいるジンを見付けて周りの住人が警察を呼び、優真が来た時に見たのは屈強な警察4人を相手にしても押さえ込まれず暴れるジンだった
そして優真も一緒になって暴れだしたのだった
最初はジンが殺したと思われていたが、充分な証拠がなく、また2人の首を切り裂ける様な凶器を所持していないこと、遺体処理班が回収するまで遺体を抱き締め泣き叫んでいたことを踏まえ、現場担当の警察がジンは無罪であると断言したのだ
また優真ともども暴れた事については厳重注意だけで済まされた
2人はその日計6人の警官を打ち負かしたので、注意だけで済まされたのは幸いだった
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