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「ほい、じゃあ今日はここまで!!」
「「「「あ゙ざぁぁっしたぁーー!!!」」」」
体育館に声が響く
ダルそうにしている顧問が終了の合図をすると共に一斉に頭を下げる部員約20名
その中の1人、普段は副部長として部員を引っ張る男は挨拶が終わるとすぐに帰る支度を始めた
終わりかぁ…
そんな事を考えつつもテキパキと慣れた手付きで帰る準備に取り掛かっている最中、顧問が声を張り上げた
「あっ、ジンはまだいるかぁ!?」
「はい!!どしたんスか?」
いきなり指名され顧問の元へ向かう副部長の青年ことジン
顧問からの指名は立場上よくある事なので脱ぎ捨てたシューズはそのままに、靴下で体育館の床を滑るように移動する
スイスイと移動し顧問の所へ着いたが、いつもの様なダルそうな顧問の姿がそこにはなく、いつになく真剣な表情である
「……明日……、明日がアイツらの1回忌だよな?」
先程声を張り上げた人間とは打って変わって、少し申し訳なさそうな表情に変えながら淡々と聞いてくる顧問
「はい、明日ですよ」
不意に聞かれた事だが慌てず返答するジン
「明日は部活が終わった後だけどアイツらの墓に花を添えてくる。部員全員連れて行きたいが……
ジンは来るか?」
「いや、いいっスよ。オレは今日1人でのんびり行こうと思うんで」
顧問の似つかわしくない態度が見てられなくなったジンは早々に切り上げようと早口で答える
踵を返し、いざ帰ろうとした時、またもや顧問に声をかけられた──
お前は何故泣かないのか?
──と
「……オレでも泣きますよ」
振り向かないまま素っ気なく返答したジンは早歩きで自分の荷物がある場所へと帰っていった
「……………ジンが一番、誰よりも一番辛いはずなのになぁ……。少しは私を頼れよ……」
顧問は誰にも聞こえないくらいに小さな声で嘆いた
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