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―――ワンコ視点―――
あの気配は確かに主だったのだ!!
間違いない!!忘れるはずが無かろう!!
………そう思って、近くまで行ったのに
「何って、落下?」
そう言った主らしき者からは覇気もへったくれも感じられなかったのだ
その時に理解した、この者は主ではない、と
しかしながらなんと言うか、非常に主と顔が似てるのだ
ただ、こう……、なんだこのイケメンコルァ、こっちを見るな
…………まぁ、助けてって言われたから、仕方なく、本当に仕方なく助けてやろうと思ったのだ
とりあえずズボンを噛んで静かに地面まで送ってやった
するとなんだこの者は!!
地面に向かって、そ、その、あっ愛してると言ったのだ!!
卑猥だ!!このヨレヨレズボンが主でなくてよかったわ!!
………しかしあの者は、ヨレヨレズボンは一度助けた命を大事にして貰いたいと思っていた矢先、獣に突進されて目の前から姿を消したのだ
空を舞っている最中もズボンがヨレている
あの者、死んでしまったかのう
やはり、人間とはすぐに死ぬものなのだな
我は長年生きておるのにその様なくだらぬ事をいつまでも───
「……い゙ってぇ゙ぇぇ゙ええ!!!!!」
───ま、まさかこの声は、いや、その様な事があってたまるものか……
しかしヨレているズボンを履いているのはここ数百年あの者以外見た事はない
とすればやはりあの者は先程の……
いや、あの者は致命的なダメージを負ったはずなのだ…
……何故、生きておる?
あの者は不死身なのか?
本当に、人間なのか?
何故そこまでズボンがヨレているのだ…
―――ワンコ視点end―――
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