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「いってぇなコノヤロォ!!」
イノシシに飛ばされて死んだって思ったのに気付いてみれば木に後頭部をぶつけて止まった
痛い……めっちゃ痛い……
でも死ななくてよかったわぁ…
「…………あ!?」
死ななくて……よかった?
オレ自殺したのに?
…なんで?
前の世界では確かに嫌な事があったから死にたいって思ってたけど……今は違う
嫌な事……だよな
つまりはオレって結局嫌な事から逃げて逃げて逃げまくって、挙げ句死のうとしたんだよな…
覚悟が無けりゃ我慢すらも出来なかったのか……
嫌な事なんて、いくらでも誤魔化す方法があったのに、面と向かって立ち向かう勇気すら持てなかったってのか
そっかぁ、神様、そういう事だったんだな?
オレの心の弱さ、とうとう見つけちゃったぜ!!
「………っしゃ゙ぁ゙ぁゴルァァァア゙ア!!!」
腹の底から声を出した、久々に気持ち良い叫び声をだした
もうオレは迷わない!!
「………」
無言でイノシシを睨み付ける
相手はオレの背丈と大差ないくらいの化け物だ
臨戦態勢に入ってるからすぐに突進がくるんだろ?
「………主!!避けるのだ!!」
……うっせぇなワンコ、言われなくてもわかってる
イノシシなんて真っ直ぐに走ってくるだけだろ?
だったら決めるぜ!!黄金の右足!!
「……明日に向かって猛ダァッシュ!!!」
イノシシがこっちに向かって走りだした途端、オレも思い切り地面を蹴って走った
「オラァ!!」
………と声を出しながら蹴りを入れようとしたらたった2~3歩でイノシシと正面衝突
痛い……後頭部の次は腹がめっちゃ痛い……
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