第二章

3/34
前へ
/56ページ
次へ
そしてしっかりと、律儀に高志は突っ込んでくれる。 「レアハンターに狙われるのは寧ろデメリットだろ。どこに拗ねてるんだよ」 なんてことをほざくか! その突っ込みは筋違いだろう。 間違いは訂正しなくてはなるまい。 「馬鹿をいうな! お前は俺の気持ちがわからないからそんなことが言えるんだよ! あの小さい奴の、なんだこの弱っちそうなやつ。生きてる価値あるのか? あー、ウゼェから視界に入ってくるなよ。えっ、こいつが相手なの? こんなミジンコの方が何百倍も存在価値がありそうなゴミ屑が? いや、これはさすがに失礼か。ゴミ屑に! こいつのことなんかなんにも知らないけれど、知りたくもないけれど、とりあえず早く死んでくれないかなぁ。って思っているような目で視られてないから! あの眼を視ていないから! あんな目に遭っていないから! だからそんなことを」 「……それ自分で言ってて死にたくならないのか?」 ふむ。 まぁ普段ならなるところなんだろうなぁ。 でも今はならない。 「何故ならば! 今の気持ちは、最高かよ! の一言に尽きるから」 この喜びは正直持て余す。 なので早速みずきにメールしてやった! 返信はまだない。 「いいたいことは色々あるけれど、とりあえず。最高かよっじゃねぇよ! お前CBC以外だと頭の回転だけじゃなく頭のネジも緩むのな? たまにその変わりようから古代エジプト人の人格でも入ってるんじゃあないのかと本気で疑ってしまうよ」 もしそうならばこれから待ち受けるはもうひとりのぼくとの邂逅かな。 いやいや、まさか。 ……おい、本当にそんなことはないよな? 「さすがにそれはねぇだろ」
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加