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「そんなことよりも」
そんなことよりもってお前、この懸案おざなりにしたら駄目な気がするんだよ。なんとなく。
「なにをそんなに心配してるのかわからないけれど断言してやるよ。絶対に大丈夫だ。だから、そんなことよりも、だよ」
大事な試験の前日かのような、いつになく真面目な表情の高志に思わず聞き入ってしまった。
「なんだよ?」
「そろそろ離れてくれないか? というか放してくれ。さすがにテンション上がりすぎだろ」
こんな願ったり叶ったりな状況じゃあテンションも上がるだろう。
ここではっちゃけなきゃいつはっちゃけるというんだ。
気持ち高ぶる勢いのまま高志に飛びついて、あれから腕はいまだに高志に絡みついたままだった。
高志お前、なかなか我慢強いのな。
そんな酔っ払いじみた行動されたら、俺なら即効ひっぺ返してやるけれど。
そう思うと、なるほどたしかに今の俺は相当にうざいな。
羽目を外しすぎかもしれない。
これじゃあキャラがぶれてると思われても仕方がない。
まるで二人の人間に(二つの人格じゃないところがミソだ)操られているみたいだ。
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