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「ははっ虚言妄言もほどほどにしとけよ。この世界は漫画やアニメの世界じゃないんだから。これから待ち受けるのだって、蓋をあけてみりゃあ、待ち受けなんて言葉が仰々しいと感じるくらい、至って普通のいつも通りのただのCBC大会だよ」
「そうだろうよ」
そんなことはわかっている。
いくら物語じみた展開に巻き込まれようとも、奇怪な事件に巻き込まれたり、どこかこことは別の世界に跳ばされるなんてことはないのだろう。
何故ならここは現実で。
物語ではないから。
「まぁ精々楽しもうぜ」
「そうだな」
なんて。
この段階じゃあ俺達は知る由も無かったのだ。
このあと待ち受ける大会が“至って普通”でも“いつも通り”でも“ただのCBC大会”でもなくて、一生のうちに体験出来るかどうかの、一言ではとても言い表せられない広壮で壮大で雄大なものだということを。
いや、もしかしたら高志は知っていたのかも知れない。
そう思うことがたまにある。
この優秀すぎるほど優秀な。
冷静なまでに冷静な。
世界を見透かしたように、観てきたかようにものをいうこいつなら。
この時には全てを察知していてもおかしくはないのではなかろうか、と。
それでも俺は、少なくとも俺なんかは、帰ったら早速CPU相手に《稲妻の妖狐》を使ってみよう。
なんてことしか考えちゃあいなかった。
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