第二章

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        ◇ あれから。 白装束の襲来があったあれから。 あっと言う間もなく。 時は流れ予選当日。 俺は高志とみずきと連れ立って指定された会場最寄り駅に足を踏み入れていた。 高志はグレーのUネックTシャツにテラードジャケットを羽織り、Gパンという出で立ちで、みずきは七分袖の黄色いTシャツにサロペット、頭にはキャスケットを被っていた。 ふーむ。 こいつらは元もいいからこうして見るとどこぞのモデルかと思ってしまう。 なんだかお似合いな感じがなんというかこうむしゃくしゃする。それが何故かはわからないけれど。 「やっと着いたねー!」 みずきが伸びをしながら息を吐き出すように言った。 たしかにそれには同感だ。 やっと着いたというのが三人ともの心の声だろう。 四時間。 始発で乗ってこの駅に到着するまでにそれだけの時間を消費した。 乗り換えは多いし、電車本数少ないし、なりよりも尻が痛い。 電車が辛いと思ったのは初めてだよ。
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