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「仁君?どうしたのぼーっとしちゃって」
「え‥ああ…ごめん、何だっけ?」
僕を我に返したのは、友達の真島 唯だった。
唯ちゃんは、僕が座る一段上の階段に座り、未だにあーした てんきに なーれと言って、靴を飛ばす友達を見ていた。
「仁君は天気占いしないの?」
「うん‥だって……馬鹿らしいだろ?」
僕の顔は影に染まった。唯ちゃんはそのことに気づかずに話を続けた。
「あした学校で運動会があるんだよ?知ってるよね?」
「知ってるさ、だからって天気占いなんて…明日は晴れるよ」
「仁君って大人だよね?他の男の子と違っていうか…他の男の子より少し輝いてるっていうか…」
僕は、首を後ろにやり、顔を朱色に染める唯ちゃんを一瞥したあと、おもむろに立ち上がった。
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