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「俺も連れてってくれ。」
そう俺は長門に言っていた。
「……俺のせいでこうなったんだ。なのに全人類の存亡をお前一人に預けて、てめェはのんびり部室でくつろいでいるなんてのは、俺自身が許せねェ。役には立てるはずねェけど、頼む。俺もついて行かせてくれ。」
長門はしばらく俺を見つめていた。
あまり気持ちを表情に示さない奴だが、俺には分かる。
コイツは悩んでいる。
そりゃあそうだ。
こんな雑魚兵一人を連れて行って、長門には何のメリットもない。
むしろ足手まといが増え、不利になるかもしれない。
普通に考えて、連れて行くはずがねェ。
「分かった。」
長門は無表情のまま答えた。
「あなたが望むなら。」
「……本当に良いのか?」
「あなたには見届ける義務がある。」
「だが……お前の足手まといになるかもしれない。いや確実になると思う。それでも良いのか?」
「問題ない。」
そう言うと長門は、握られた手で俺の手を握り返し、そのまま窓の外へと飛び出した。
「私から離れないで。」
俺は、華奢な身体の女子高生に手を引かれながら、上空500kmに向かって飛び立った。
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