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―【無題】―
大海の中の塵にも劣る我等が
大海の中の塵にも劣る些細な事に悩み苦しんでいる。
嗚呼、たった今、夜空を見上げるがいい。
悠久の時を超えて営み続ける星々の様よ。
遥かなる過去から遥かなる未来へと、ただ、ただ、黙して流れ往く時を。
光さえ容易に届かぬその遥かなる様を。
我等の存在の、余りに小さく、余りに短いことよ。
それでも尚、人の命のなんと尊い事か。
それでも尚、その存在のなんと偉大な事か。
目の前の色や形に囚われず、その本質を見つけた時、その真実なる理(ことわり)を見つけた時、貴方は微塵も動かぬ「不動の心」を得るであろう。
「人」本来の大きさと深さを知ることであろう。
「想い」は悠久の時を超え、遥かなる距離を超えて少しずつ、少しずつ染み渡っていく。
塵の一粒まで。
雫の一粒まで。
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