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会長は僕の手を握りしめたまま寝ていた。 なんで会長が? どうしたらいいのかわからなくてただ会長を見ていた。 ガラッ ドアが開いた。 「っ!?」 一番会いたくない人。 ?「起きたのか?」 「・・・」 僕の手を見ているのに気付いて慌てて会長の手を振りほどく。 ?「・・・」 「何しにきたんですか」 ?「息子の一大事だと聞いて来たんだが」 「あなたを親だと思ったことはありません」 父「私も息子だと思ったことなどない」 「っ・・・!?・・・帰って・・・ください・・・」 父「・・・」 「帰れ!!」 思いっきり叫んだ。 顔なんか見たくない。 あの日からずっと 避けてきたんだ。 ギュッ 「か・・・いちょ・・・」 会長が僕の手を握りしめる。 会「すみませんが帰ってもらえませんか?」 父「・・・」 会「お帰りください」 父「・・・わかった」 そう言って パタン 父は出ていった。 「ふっ・・・ぅっ・・・」 ドアが閉まると涙が溢れてくる。 会長は何も言わず僕を抱きしめてくれた。 「うっ・・・うぁぁぁぁあぁぁん」 会長は僕の涙が止まるまで、ずっと抱きしめたまま背中をさすってくれていた。
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