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目が覚めると夜だった。 会長はいない。 寂しい・・・ 「っ・・・」 何考えてるんだろう。 一人なんて馴れてるのに・・・ 「ふっ・・・」 涙がこぼれる。 「うっ・・・んっ・・・」 声を殺して泣いていたら ガラッ 扉が開いた。 「っ!?」 そこには会長が立っていた。 「か・・・いちょ・・・っ」 会「乾!?」 会長が慌てて僕のそばにくる。 会「何処か痛いのか!?」 僕は首を横に振る。 会「どうした?」 聞きながら僕に手を伸ばしてくる。 パシッ 会「ッ!?」 会長の手を振り払う。 触らないで。 今、会長に触れられたら心の奥に閉じ込めた気持ちが溢れてしまう。 膝を抱え顔を埋めて涙を、溢れそうな思いを堪える。 ギュッ ビクッ 会長が僕を抱きしめる。 「やっ!!離して!!」 暴れるけど会長の腕は緩まない。 「やぁっ!!・・・ふっ・・・うっ・・・」 また涙が溢れてくる。 「ど・・・して・・・」 会「好きだ」 え? 今なんて・・・ 会「好きなんだ」 「嘘!!」 会「嘘じゃない。乾、お前が好きだ」 「嘘!!嘘嘘嘘ッ!!」 やめて!! どうして・・・ お願い・・ これ以上・・・ 僕の心を掻き乱さないで。 会長が僕の両頬を挟んで目を合わせる。 会「乾。好きだ」 そう言って僕の目尻にキスをする。 会「好きだよ」 優しく微笑んで囁く。 「かっ・・・いちょ・・・」 会長の首に腕を回して抱き着く。 「ぼ・・・くも・・・好き」 一度口にしたらとまらない。 「好き・・・好き・・・会長・・・好き・・・」 会長がキツク抱きしめてくる。 「ずっと・・・ずっと好きだった・・・」 会「・・・悠斗」 初めて名前を呼ばれた。 驚いて会長の顔を見る。 「会長・・・」 会「仁だ」 「じ・・・んっ・・・//」 名前を呼ぼうとしたら口づけで遮られた。 「んっ・・・ふぁ・・・じ・・・んっ・・・//」
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