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僕の母はアメリカ人だった。
どうやって知り合ったのか僕は知らないけど、乾誠一郎(いぬい せいいちろう)僕の父と恋をしたらしい。
だけど父にはすでに妻も子供もいた。
母は僕を産んだ。でもすぐ父に赤ちゃんの僕を押し付けてアメリカに帰ってしまったらしい。
僕は母に捨てられたのだ。
乾家に引き取られたが僕の居場所はどこにもなかった。
兄や姉の仕業で友達もできなかった。
僕はずっと孤独のなかで生きてきた。
孤独であるがゆえに弱みを誰かにみせるわけにはいかない。
だから強くなりたかった。
家に帰らず、毎日喧嘩三昧。
気が付けば「死に神」そう呼ばれていた。
そんな僕を父は無理矢理全寮制の男子校に入れたのだ。
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