中学三年。

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俺は中学三年生になった。仲のいい友達とは幸いにも同じクラスだ。 1つ残念なのは去年の担任とは違う事。今年はおばさんだ。 去年の担任は良い教師だった。他の教師とは違い、生徒目線で話してくれた。そこそこ良い年の筈だがアニメのキャラを生徒と熱く語ってくれたり、口実を見つけては朝礼を抜け出したり。 どの教師の言葉も聞かない不良も、その教師の言葉は素直に聞いた。 俺は特にその教師と馬が合い、二年の最後に「来年も宜しく」と握手もした筈なのだが。 まぁ良いさ。決まったからには仕方ない。悔しがってるのも俺だけじゃないしな。 今年の担任は50一歩手前といった感じの無駄に元気なオバサン。この学校に昔からいる古株だ。 余り噂は聞かないから悪い先生でもないだろう。ムカつく先生や、鬱陶しい先生は卒業生から情報が回ってくるものだ。 噂と言えば、この学校の不良と殴り合いの喧嘩をした先生がいるらしい。その不良曰く、熱く語られたからムカついて手を出したら向こうもやり返してきたらしい。 一人で席に座りながら担任の話も聞かず思案している俺がふと廊下に目をやると、痛々しい傷をおった例の不良君が不機嫌そうに通り過ぎていった。どうやら噂は本当だったようだ。 あの不良君は、けして悪い奴ではない。 皆平等に接する優しい奴だ。只少し、警察のお世話になる回数が多いだけで。 ここで突然だが、俺の性格について説明しておこう。 俺は基本的に無駄話はしない。だが暗い訳でもない。仲の良い友達とは、冗談を言ったりもする。 ただムードメーカーでない事は確かだ。 「………と言う訳だから、宜しく。」担任の挨拶が終わった様だ。今日はこれから用事もないので帰宅だ。 部活はあるみたいだが、俺には関係ない。いや、正確に言うと関係あるんだが行かないだけだ。 俺はサッカー部の幽霊部員。ただの幽霊ではない。自殺した幽霊だ。 ───意味分かる?つまり、自分から行かないだけ。 俺はサッカー部に見つからない様に自転車小屋まで移動。素早く自転車に乗り校門から逃げた。
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